2004年06月15日

ご愛顧感謝・読者(無理やり)参加(させ)型企画 Gmailアカウント、1名様にプレゼント

今日は、ある意味では照明に何にも関係ない話(なので、この記事は、役目を果たしたら後で消えます。もしくは、後で追記して、ちゃんとカテゴリに分けられる記事の体裁にします)。

現在、米GoogleがWebメールサービス「Gmail」のベータテストをしています。これ、無茶苦茶高度なWebメールサービスです。

機能概要としては、

- 1,000 megabytes (one gigabyte) of free storage
- Built-in Google search that instantly finds any message you want
- Automatic arrangement of messages and related replies into
"conversations"
- Text ads and related pages that are relevant to the content of your
messages

ですね。フリーのWebメールサービスで、1Gバイトのメール容量ってなんやねんな、という話です。

英語の苦手な方は、

http://pcweb.mycom.co.jp/articles/2004/05/08/gmail/

あたりを読んでみてください。大体解るから。

で、このWebメールサービス。ベータテスト中なだけに、ごく一部の人だけに、クローズドにアカウント(メールアドレス)が配布されているのですね。僕は、GoodPicさんから招待状を頂いて、数日間使っているのですが、凄いですね、これ。

ベータサービスとはいえ、あのGoogleが提供しているだけの事はある。現状、一般の人が使える(可能性のある)メーラーの中では、インタフェースが一番洗練されているもののうちの1つだと思います(好みの問題もあるんで)。

今のところ気付いた問題点としては、日本語の添付ファイルは文字化けする可能性がある事くらいかな。

この招待状配布の権利が、僕のところにも3通着ました。アカウントがとっても欲しそうな知り合いに2通上げたら、1通残りました。ということで、この1通の招待状を、舞台照明ブログを読んでくださっている方にプレゼントしたいと思います。

ま、でも、1通しかないので、先着順というのも何ですね。そこで、ちょっとした読者(無理やり)参加(させ)型企画にしようかと思い立ちました。

右欄にあるメールアドレス宛に、以下の5つの質問に答えたメールを送ってやってください。


(1):舞台照明ブログを読んだ感想


(2):舞台照明ブログに書いて欲しいお話


(3):演劇を作る要素に、「台本」「演出」「役者」「美術(大道具・小道具)」「衣装」「音響」「照明」「会計」「プロデュース(宣伝広告・マーケティング)」「プロジェクトマネジメント」の10要素があるとします。

A)「これは何があっても外せないよね」という3個を選んでください。

B)「これはいざとなったら要らないよね」という3個を選んでください。

C)その理由も、あわせてよろしくです。


(4):【ビジネスとは、相手に心から「ありがとう」と言ってもらったら勝ちで、「ごめんなさい」と言ったほうが負けのゲームだ】という意見があります。

A)今の自分の立場を書いてください(演劇関係者の人は、どういう風に演劇に関係しているか。そうでない人は、会社での立場とか。フリーの人は、フリーのライターとか。そういう感じでよろしくです)

B)その立場に居る自分と、その周りを取り囲む人を強く想像してください。その立場に関係のある、他の立場の人に心から「ありがとう」と言ってもらうには、どうしたらいいと思います? 3つ工夫を書いてみてください。

C)その立場に居る自分と、その周りを取り囲む人を強く想像してください。その立場としての自分が、他の立場の人に「ごめんなさい」と言わなくて済むためには、どうしたらいいと思います? 3つ工夫を書いてみてください。


(5):その他、つのに言っておきたい事があれば、どうぞ。



これらの答え(なんか、テストみたいだね)を書いて、点灯夫/つの宛にお送りください。締め切りは、16日の24時。応募いただいた方の中から、私の独断と偏見で、お一人様に招待状をお送りします。

今まで読んでる回数とか、あまり関係ないです(それだったら、このブログが今まで一番お世話になってるfringe blogの荻野さんやたにせさんに差し上げてます)。過去ログを見て、僕が気に入りそうな答えを書いても、あまり関係ないです。あと、がっつり書き込まなくても良いです。お気軽に答えたってください。

演劇関係者の人も、そうでない人も、歓迎いたします。むしろ、ぜひぜひメールくださいませ。よろしくお願いします。
posted by 点灯夫/つの at 00:36| Comment(3) | TrackBack(9) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年06月12日

「専門学校生に、最高レベルの舞台をつくるため(以下略)」補足 〜 演劇におけるプロダクトマネジメントの方法

「専門学校生に、最高レベルの舞台をつくるための理想的な過程を教えつつ、人間の偉大な能力を思い知る」に「訳わかんねーよ」という感想を頂きました。しかも僕の事を知っている人に、面と向かって言われちゃった。僕ってば、毒舌の割に自分は傷つきやすいのに(←最悪)。くすんくすん。

というわけで、少し補足を理詰めで。あのエントリで書いた「最高レベルの舞台を作るための理想的な過程」というのは、プロダクトマネジメントと呼ばれる手法を使っている。

プロダクトマネジメントと言うのは、プロダクト(生産物・製品)の製作過程をどうやってマネジメントしていくか、という手法。その王道的な流れとしては、

【1】物事の観察をして、問題を発見する
【2】その問題はどんな原因から引き起こされているのか把握する
【3】その「原因」を変化させるために取りうるアプローチを考える。
【4】プロトタイプとなるものを作ってみる。
【5】プロトタイプを実際に使ってみる。この様子を観察して・・・(【1】に続く)

となる。正確には、この流れをどれだけ上手く回せるか、ってのがプロダクトマネジメント。メーカーなどが製品を作るときに、一般的に使われている。


ただ、演劇の場合は、「【1】物事の観察」ってのがない。メーカーの製品開発であれば、ユーザーが既存の製品を使っているところを観察するって事ができるんだけど、舞台は一から作っていく。つまり【4】から始まるわけですよ(強いて言うなら、再演なら前のビデオを見る。もしくは他の芝居を観に足しげく通うってくらいかな)。

そんなこんなで、演劇を作る場合に、プロダクトマネジメントプロセスを回したかったら、順番がちょっと切り替わる事になる。


【4】元となる脚本から、よってたかってプロトタイプを作ってみる。役者の芝居の稽古っていうのは、正しくこういう段階。まずは、「とりあえず」のものを作ってみる。照明で行けば、シーンごとの光のイメージを出す段階。

【5】作ったプロトタイプを実際にやってみる。稽古場で通しをする。音入りで通しをする。金銭に余裕が有れば、実際に小屋を1日だけ借りて、ゲネ状態でやっちゃう。とか。

【1】そのやってみたプロトタイプの問題を把握する。思っていたほど、ここの光変化ではエッジが効いてないよね、などの意見を寄って集って出し合う。

【2】その問題の原因をこれまた寄って集って考えてみる。ここの光変化が効いてないのは、たぶんその前に細かく細かくチェンジをしすぎているからだろう、とか。

【3】その問題となっている部分を変化させるためのアプローチを、これまた寄って集って考える。じゃあ、ここのエッジを効かすために、前の照明変化を眠くなるくらいに抑えてみようか、とか。そういうアイデアが出てくる。

【4】で、そのアイデアを取捨選択して、プロトタイプ2を作ってみて・・・(あと繰り返し)


ここまで書けば解ってもらえると思うけど、これってある程度はどこでもやってる事でしょ? 小屋に入ってからは、テクリハ、ゲネプロで普通にやる事だよね、こんなの。ある意味、当たり前。でも、これがどこまで追求できるかってので、実際の芝居の出来は大きく左右される。

僕が海外の演出家さんと一緒にやったとき、どうしてこのサイクルが理想的に出来たかっていうと、2週間の公演をするのに、2週間準備期間を使ったんですよ。計1ヶ月、小屋に入りっぱなし。さらに、その前の2週間は、その小屋にある練習室で、実寸を取って、美術を組み立てて稽古してた。そこでは、音響は同じ機材を使えたし、照明は2分の1くらいの量の機材が使えた。で、それだけの間の毎日、上の【4】〜【3】の繰り返し。良いものが出来ない方がおかしいでしょ、これだけやったら。

でも、実際にはここまで追求できない事がほとんどだ。だから「専門学校生に、最高レベルの舞台をつくるための理想的な過程を教えつつ、人間の偉大な能力を思い知る」で書いたように、それぞれのパートがそれぞれの知識を持ち寄って、一発勝負で「どっこいしょ」と、ある意味ではつじつま合わせのものを作る事になる。これが、実際の現場だって訳だ(だから、専門家の能力は、知識と経験の豊富さで、プロトタイプの時点で問題点ができるだけ少ない状態にもっていき、【4】〜【3】のサイクル1回か2回くらい(テクリハとゲネ程度)で、そこそこのものを作るという所に集約される)

「つじつま合わせ」って、口が悪いかなあ。でもさ。電気機器とか、日用品とか、そういったメーカーが製品を作るときには、プロダクトマネジメントのサイクルを、何回も何回もぐるぐるぐるぐる回すんだよ。それがメーカーの商品になって売り出される。それだけしても、商品に当たり外れってものはある。

じゃあ、劇団(プロデュース公演も一緒)の商品ってなにかって考えると「芝居そのもの+芝居を観るという観劇経験」だったりする。演劇を本気でやりたい、それで食っていきたいっていうのなら、各種メーカーがやってる程度の事はやっても良いんじゃないのかなあ。それでも、きっと当たり外れはでてきちゃうんだよ。ってのが、僕の意見。


ただ、どうすれば今の日本でこういうサイクルを追求していけるのかは、僕には解らない。こんな事やってたら、莫大なコストがかかるわけだし。皆生活があるから、こんなサイクルは真っ当には追求できないに決まってる。

どうすれば良いんだろうね。それはひょっとしたら、小屋のあり方なのかもしれないし、稽古場のあり方かもしれないし、演劇ってものに対する考え方そのものなのかもしれない。

個人的には稽古場が充実するのが、一番大切かなって気がしてます。例えば、東京じゃないけど、仙台の10-BOXとかね。この設備は、基本的には稽古場だけど、公演もできるし、叩きもできる。小屋付きの技術スタッフは美術、照明、音響の専門家がそろってて、しかも他の公共団体に行って講師をするようなレベルの人(ただ、ここの場合は「小屋付き」というべきかどうか。もちろん、そもそも稽古場だってのもその理由の一つなんだけど、もっと大きな理由として、ここの技術スタッフは大手舞台会社などから派遣された、いわゆる「小屋付き」さんじゃないから。仙台市民文化事業団の職員さんなのだ(と1年程前に聞いた。今は変わっているかもしれない。知っている人、よければ情報下さい)。推測でしかないんだけど、この事はこの施設を運営していく上では良い影響を及ぼしていると思う)。

こういう施設が、今後日本中で出来ていくのかもしれないかな。また、できると良いなと。そう思う僕なのでした。こういう設備って、全般的に良い影響を及ぼすと思いますけどね。演劇を作る側は言うまでもなく、公共団体の小屋にも、民間の小屋にも。

だってさ、こう言う設備があって、底辺が広がって、初めて小屋の稼働率って上がるわけじゃない? この前、とある公共団体のホール管轄のお偉いさんと話してたら「近頃、ホールの稼働率が下がってるんだよねえ」って、そりゃホールだけぽこぽこ数作っても、やる人が増えなくて公演数が変わらないとしたら、稼働率は下がるだろうよ。もっと、マーケティングってもんを考えようぜ。見込み客が増えていかなきゃ、将来的にはジリ貧になるって分かりきってるじゃん。その設備では赤字になったとしても、全体でプラスになるように箱物を設置する長期的視点から見たポートフォリオってもんがあるだろうよ・・・と思ったけど、言わなかった。ほら、僕、シャイだから。

ということで「小屋作るのばっかりが能じゃねえよ」というのを今回の結論としておきましょうかね、ちょっと強引だけど。


さて、と。

道具が揃ったかな。ここら辺で、そろそろ長い間の宿題「なぜ、演劇に関わる仕事はたくさんなくてはならないのか」が、一応の結論を見るような気がする。ま、ゆるゆると、その内に。
posted by 点灯夫/つの at 03:41| Comment(1) | TrackBack(0) | 舞台を創るための方法論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年06月05日

「色のついた影をつくる」

も一つ気になった検索ワードがあるので、短く技術解説。「色のついた影をつくる」。もともとは、こちらの記事で、ゼラの説明をするのに使った言葉だ。

またしても文章で検索する人がいらっしゃいましたね。2段落目からいきなり横道にそれますが、ネットで検索するときの豆知識。現在の検索エンジンの仕組みでは、文章で検索するのはさほど効率的でないということを覚えておいてもいいかもしれないかな。効率的なのは、「口からなんか出てきそうで出てこない歌詞」とか、「口からなんか出てきそうで出てこないコピー」とか、そういうものの全文を検索する時くらいだと思う。

話を元に戻して、と。きっと、検索してくれた人は、ゼラの説明を知りたくて検索したんじゃないよね。本当に、赤とか緑とかの「色のついた影をつくる」にはどうしたら良いんだろうと思ったんだろう。

これ、簡単です。

例えば、人影を赤にしたいなあと思ったとする。その時は、人の正面から(正確には、影を伸ばす方向の反対側から)、十分な量の光を当てておく(この正面から当てる光の色は何でも良いです。ここでは色の組み合わせの話をしているわけでないので)。すると、普通に影が正面からの光の反対側に出来る。人影。黒い奴。この人影の部分に、赤のゼラを入れた光を当てる。これで、赤の人影の出来上がり。

つまり、人間の影で黒くなったところに(あたっている光量がすくないところ(=影)に)、赤の光を入れてやるってこと。正確に言うと、これは影ではない。けど、実際に人が動けば、赤くそめられた部分も動く。だから、人間の目には影に見える。ま、良いんじゃないですかね。赤影としても。

あとは、影をつくりたいオブジェ自体をステンドグラス状にしておいて、そこに光を透過させるとか。綺麗に影?がでる。

あと「海外で舞台照明」というワードで検索してくれた方。今のとこ、特に書く気はないですが、気が向いたら書きます。どうしても書いて欲しいなら、14回も検索してないで、「書け」ってメールでも直接出しやがれ。とゆーか、読みたければ、ぜひぜひ出してください。読んでくれてる人が知りたがっている事も書いていきたいですからね(でも、自分の好き勝手な事も大いに書く。わがままだから、僕)。
posted by 点灯夫/つの at 00:35| Comment(1) | TrackBack(0) | 舞台照明の基礎の基礎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年06月04日

「舞台も良いけど、町へ出よう」舞台の外で、舞台についてお勉強

どこでも舞台のお勉強は出来ますよ。舞台だけに執心しないで、舞台の外でもお勉強してみた方が良いんじゃないかな、という話。

昨日、渋谷から表参道に向かって、とことこと歩いた。ちょっとゆるめの会合に出るのが目的だったんだけど、時間があったので、普段余り歩かない街並み「青山から表参道」を歩いてみる事にしたのだ。舞台の仕込みの格好で行くと、浮く事この上ない場所だなあ、と思う(どうでもいい話だが、僕は舞台関連のお仕事や打ち合わせがある日は、舞台仕込みの格好で居る。年間300日超は、同じ格好)。青山から表参道にかけては、ブランド物に疎い僕でも名前を聞いたことのある高級ブランド品の店が並んでいる。

知らなかったんですが、近頃の店舗照明って凄いんだね。閉店後の店のショーアップに、普通のスポットなんかは当たり前として、ソースフォー、ムービング、ムービングレーザーまで使っている。しかも、その使い方が、とてもお洒落。ものすごく勉強になりました。主に勉強になったのが、

(1):高級ブランド品の店の照明のおき方のパターンが分かった
(2):雲マシンやディスクが無くても、動く雲を表現する方法を見つけた

ってところかな。

あと、表参道の駅の前で、原宿の方向を振り返ってみると、ホリゾントに映し出されたような夕焼けが空に映し出されていた。アンバーではなくて、ワインレッドに近いんだけど、すこし紫で濁っているような、恐らく空気がある程度汚れている都心部じゃないと見られない夕景。この色合いも、僕の頭の中にある「夕景イメージの引出し」の中に入った。いつか使う事もあるだろう。

で、そのゆるめの会合(1時間40分くらい)の中では、みんなで海外のムービーを見たんだけど、その中から2つほど、照明のネタを仕入れた。

と、まあ、僕は舞台の外で、舞台照明に使えるネタを、2時間に5つ仕入れたわけだ。舞台を見てても、こうは行かない。2時間見ていて、有ってせいぜい1つくらいですね。舞台照明家の使う照明パターンなんて、大家だろうが、駆け出しの人だろうが、たかが知れてるもの。

僕が「大家だろうが、駆け出しの人だろうがたかが知れてる」って判断してるってことは、僕の照明も、他の照明家から同じように判断されている。で、同じ現象は、どのジャンルでも起こってるはずなんだよね。役者、演出、舞台美術、音響、制作、などなど、どのジャンルにおいても。

ぶっちゃけた言い方をすれば、内心ではお互い「代わり映えしねえなあ」って思ってる可能性が高いって事。

演劇の世界に居る人っていうのは演劇にどっぷりはまっている人が多くて、他の世界を知らない事が多くて、だから演劇の世界の前例だけを参考にしてしまっている事が多い。それって、よっぽど才能が突出している人以外、エッジが効かない。ひどい言い方をすれば、今までの演劇の猿真似になっちゃうわけだからして。よっぽど大量に参考物件を集積して(要するに、大量に演劇を観て頭の中にデータをストックして)、それを状況に応じて使いこなせるようにならないと、どんぐりの背比べレベルにしか到達できないはずだ(蛇足だけど、この大量データストックの大切さを述べたのは、映画監督の黒澤明)。

僕が、このブログの中で、ビジネスに近い言い回しを使っている事が多いのは、これと同様の理由。そもそも僕がビジネスよりの世界にも足を突っ込んでいるからって理由もあるけど、それよりむしろ、演劇の世界よりはビジネスの世界に参考になる事が多いから。

もっと色々な世界を見て、そこから応用できるものを探した方が、楽しいんじゃないかな。もちろん、代わり映えがしないことが大切な事だってたくさん有るから、舞台の世界を、一所懸命にお勉強するのも、忘れずにね!! 

というNHK歌のお兄さん的な、どっちつかずの提案の締めで、今回はおしまい。
posted by 点灯夫/つの at 16:03| Comment(9) | TrackBack(0) | 舞台を創るための方法論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年06月02日

舞台照明ブログの読み方

■最新記事について

舞台照明ブログも、おかげさまで毎日結構なヒット数を頂くようになりました。

しかしですね。このブログ、それほどばきばき更新できない時も数多いです。PC持たないまま東京を離れたり、時間が無かったり、ネタが無かったり、面倒だったり。それぞれ、1:1:1:7くらいですか。

そんな風に僕が怠惰で更新しないときも、毎日アクセスをしてくださる方がいらっしゃるようで、ちと心苦しいなと。2004年6月1日現在、このブログのページビュー数は500〜600/日くらい(月で17000くらいです。記事の量が増えたから、その分増えていってるって感じですかね)。

で、その内の半分以上の方がブックマークから来てくださってるのですね。このうち、RSSリーダーを使っている方が何割なのか分からないのですが、ブログがまだまだ一般的ではない現状では、ブラウザのブックマークに入れて、毎日クリックしてくれている人も少なくないに違いない、と思っている訳ですよ(ただ、seesaaブログのアクセス解析における「ブックマーク」ってのは、ちょっと変な扱いになっている様な気がします。どこまで信頼できるのかは、謎)。

あの・・・良いですよ。更新したときだけ読んでいただければ、それで十分です。僕、このブログ書いてる事で生活してませんから。ページビュー数なんて、毎日見ながら結構一喜一憂してますけど、でもページビューが少なくても、一人かも寝む枕を涙で濡らしてるくらいです。こんなブログ一所懸命読むくらいなら、むしろ僕に照明の依頼をしてくれ・・・ってのは、ま、8割くらいしか本気じゃないです。

なんにせよ、人生は短く、時間には限りがある。ということで、舞台照明ブログが更新されたときだけ知る方法を幾つか。


(1):fringe blogをブックマークしておく
「fringe」のメンバーさんが執筆しているブログです。舞台照明ブログは、ここでRSS配信をして頂いてますので、このブログを毎日見ていれば、更新されたのが直ぐに分かります。毎日更新されているので、毎日見に行っても損は無いですしね。

flingeさんは、ブログもそうなんですが、本体であるサイト「fringe」で書かれている記事が意識・技術ともに、かなりレベルが高いです。このサイトの情報を考慮して公演を組むだけでも、動員数は相当変わってくると思います。


(2):RSSリーダーを使う
RSSリーダーというソフトを使うと、このブログが更新されたときに知る事が出来ます。参考になるサイトでも。ただ、このサイトを見てRSSリーダーの使い方が分かる人は、別にこんな事書かなくても分かっている様な気もしたり。分からない人でも、RSSはとてもイカス仕組みなので、技術的なところはともかく、道具として使えるようになってみることをお勧めします。とても便利です。

僕のお勧めのRSSリーダー(正確には、RSSチェッカーかな)は、cococというツールです。登録しておいたブログが更新されると、さり気なく教えてくれます。

【cococに舞台照明ブログを登録する】

い:cococ設定ウインドウを立ち上げる
ろ:[新規]ボタンから[サイト]をクリック
は:ウインドウの中に、次の文字列を貼り付ける

http://lighting.seesaa.net/index.rdf

で出来ます(cococサイトで紹介している方法とちょっと違うので注意)。


■過去記事について
4ヶ月ほど経って過去記事を振り返ってみると、このブログの記事はある程度のカテゴリに分けられるようです。という事で、今後の為にゆるやかにカテゴリ分離をしなおす事にしました。過去記事を読むときは、自分の興味のあるカテゴリの記事を中心に読み進めていってみてください。

興味のありそうなカテゴリの記事をまとめて読むには、サイト右端の「カレンダー」「プロフィール」「新着記事」の下にある「カテゴリ」からどうぞです。

・舞台照明ブログの読み方
この記事だけが置かれているカテゴリです。

・舞台照明の基礎の基礎
舞台照明の本当に基礎的な知識。舞台照明に初めて取り組む人や、舞台の仕込みで照明家を手伝う事になった人へ向けたカテゴリです。その内、気が向いたら舞台照明の基礎とか、舞台照明の応用とか、書くかもしれません。でも今のところ予定は全くなし。

・舞台照明家になりたい人へ
舞台照明家になりたいという人は、結構居るようです。物好きが多いね。これも日本が平和な証拠だよ。そんな物好きさんたちに役に立つかもしれない記事は、このカテゴリに入っています。

・舞台を創るための方法論
舞台を作る上で大切だと思っている事を、覚え書き程度に書いてある記事のカテゴリです。「舞台とコミュニケーション」と視点は同じですが、どちらかというと技術より。

・舞台とコミュニケーション
舞台を作る上で一番大切だと僕が思っているのは、コミュニケーションです。そのことについて考えている記事は、このカテゴリに入っています。

・その他
その他もろもろです。単純な感想が中心です。

・スケジュール
僕のスケジュールについてです。実は、2004年6月2日現在で、相当違ってきています。ごめんなさい。いや、こういうの、更新するの面白くなくて。
posted by 点灯夫/つの at 20:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台照明ブログの読み方 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

パニックになりやすい人はスタッフには向かない。が。

今日は、久々にアクセス解析から見た、ちょっと興味深い検索ワードネタで行ってみます(前やったのは、エントリ「点灯夫」とは何か?」「照明に色をつける」)。

中身からも想像してもらえるように、このブログは「舞台照明」「照明会社」「照明家」「舞台照明家」などの検索ワードで辿り着く人が多い。その中、まれに訳のわからない検索ワード(いや、もちろん、このブログの何処かにはそのワードが入ってるんですが)で、検索サイトから飛んでくる人が居る。例えば「君の方が綺麗だよ」とかね。一体何が知りたかったんだ、きみは。

今日取り上げる検索ワードは「パニックになりやすい人」。もともとは、エントリ「現場では、修羅場は訪れさせない。訪れちゃったら、マイナス思考で「やりたい」を切れるところまで切る」の中に入っているワードだ。今日は、現場スタッフになりたいなあと思っている人向けのお話。

パニックになりやすいタイプの人というのは、居る。パニックというのをどういう風に定義するかにも寄るとは思うだけど、大まかに言うと、起きている状況に対して素早く適切な対応ができないタイプの人だ。現場でのパニックのパターンを大まかに分けると、

・思考が止まって、何も出来なくなる
・何かしなきゃと思って考えなしに動き、的外れな事をしてしまう→状況悪化

の2つくらいかな。

パニックが起こる状況ってのは、一種の危機的状態だと言って良い。パニックになりやすい人、なりにくい人の違いってのは、危機的状況に対処できるかできないかの違いだと言える。

正直な話をすると、パニックになりやすい人っていうのは、現場スタッフには向かない。現場に不確定要素は付き物で、想定もしてなかった事が起こることは少なくないからだ。でも、パニックになりやすい人でも、現場スタッフになれない訳じゃない。自分がパニックになりやすい理由を知っていれば、それに対応する方法を考えればいい。

ということで、パニックになりやすい要因をピックアップしてみよう。

自分自身を振り返ってみたり、何人か「照明家になりたいです志願者」の人達の現場を見てきた経験から言うと、パニックになりやすい人、なりにくい人ってのは、だいたい2つの要因から決まる気がする。

(1)経験が足りない
その分野での経験が足りないうちは、危機的状況で何が起こっているかを素早く把握できない。また、その対処方法の引出しが少なかったり、知らなかったりする。あと、経験の少なさゆえに緊張してたりして、ミスを誘発しやすい精神的状況になっていることもある

(2)そもそも、パニックになりやすい性格
性格的な特質として、そういう人だって事ね。要するに、図太いか繊細か、って事。

ここまで腑分けすれば、あとはその対処法を考えるだけだ。


(1)経験が足りない
このタイプの人は、とにかく事前の準備を十二分に、これでもかという程にやっておいて安心感を自分の中で確立しておいてから、現場に挑めばいい。想定できるあらゆる状況に対してのシミュレーションを自分の中で行っておくのだ。

あと、大体の場合、現場における経験不足は、時間か人海戦術かでカバーできるということも覚えておくと良い。ベテランの人に比べて仕込みが3分の1のスピードでしか出来ないなら、3倍の時間を使うか、3倍の人手を出せば良いって事。つまり、そういう風に仕込みの計画を立てれば良いって事ね(ただし、人海戦術の場合は、仕込み兵隊さんに効率的に動いてもらうという別の力量が必要だという事は忘れずに)。

そういうすったもんだを繰り返していく内に、勝手に経験は積まれていく。


(2)そもそも、パニックになりやすい性格
基本的には(1)と一緒の対処法でいいと思うんだけど、もう一つのポイントとして「友達同士でやっているような、小さい現場から積み重ねていく」という事がある。少しずつ現場に慣れていって「現場は恐くないもん」ということを、頭じゃなくて身体に染み込ませるのだ。

なぜ大きい現場をお勧めしないのかというと、大きい現場ってのは、そもそも理不尽なもんなんですよ。パニックを起こしやすい構造にあるというか。

この前、照明家志望の(だけど、簡単な仕込み位しかしたことがない)女の子と話しているときに「キャラメルボックスやナイロン100℃の照明をプランニングしている某さん(って某になってないね)の現場に連れていってもらったんですよ」という話を聞いた。以下、彼女の談。

「怒られっ放しで、何がなんだかわかりませんでした。脚立の持ち方なんかでも、みんないう事が違うんですよ。誰かの言う事を聞いてると、別の人に怒られる。で、誰にも何にも言われない持ち方をマスターした、やった!!と思ったら、今度は小屋付きさんに怒られちゃったんですよね」

ちょっと笑った。

「そうやって辛い出来事を乗り越えて、少女は大人に成っていくんだよね」とアドバイスをしておいたのですが、ま、そういう事。現場は時にものすごく理不尽だ。大きい現場になればなるほど、その理不尽さは増大していく。怒られた時に「はーい」とか、殊勝に言いながら「何言ってやがんだ、じじい」って内心は思えるくらいの図太い人じゃないと、大きな現場に入るのは、正直向かないのだ。引いては、パニックを起こしやすい人には、向かないって事。

ここから、パニックを起こしやすいタイプの人は、「1−2:バイトからなし崩しに就職する」ってのも、向かないと言えるかもしれない。


まあ、パニックを起こしやすいタイプは、確かにスタッフに向かないけど、逆にあんまり図太くなるってのもどうかと思うよ。こんなミスをした後の打ち上げで、このシーンに出てた役者さんに対して「いや、ちょっとね。辱めてあげたんだよ、うん。とっても明るいままで演技が続けられて、僕の愛をスポットから感じたべ?」とか、しらっと笑いながら言っちゃえるようになったら、スタッフとしてはともかく、人としてはどうかと思います。


最後の最後に、パニック障害症状の話。パニック障害症状という病気がある。これにかかっている人は、順調に物事が進んでいる最中でも、いきなりパニックになって、動悸や呼吸が激しくなってしまう事がある。

こういう症状に思い当たるスタッフ志望の人は、現場に入る前に医療機関で治療をしてください。んでもって、(2)の手順を踏む事。パニック障害の有効な治療法として、認知療法というものがある。(2)みたいに少しずつ自分を馴らしていく方法です。

パニック障害症状があるのは、あなただけじゃない。先進国では、だいたい100人に2〜3人は居るといわれています。ましてやあなたのせいじゃない。現場スタッフになれないとは、僕は思いません。一歩一歩、クリアしていって下さいましな。
posted by 点灯夫/つの at 17:20| Comment(3) | TrackBack(0) | 舞台照明家になりたい人へ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年06月01日

専門学校生に、最高レベルの舞台をつくるための理想的な過程を教えつつ、人間の偉大な能力を思い知る

前にもちっと書いた事があるように、僕は専門学校生に照明技術なぞを教えております。実際には、僕が系統立てて教えて欲しいくらいだが。

ま、それはともかく、専門学校生に授業をしていて、ふと気付いた事がある。まあ、専門学校にいる人たちなので、二十歳前後の、僕からすると「子達」と表現するのがぴったりの彼ら(彼女ら)は、質問に対してある一定の行動を取る。それは、

「黙る」か、「笑う」だ。

んー。なんなのかなあ。質問しているのを詰問と勘違いしているのであろうか。まあ、ここから「若者のコミュニケーション不足が云々」とか「今の教育がいかんのです!!」とかいう、おっさんビジネス誌っぽい話に持っていってもいいのだが、このブログはそういう事を書く場所じゃないので、しない。

そもそも、僕が質問をするのは、彼ら(彼女ら)が間違ってるからというわけじゃない。ただ、考えを聞きたいからだけだったりする。

なぜ、そういうライティングをしようと思ったのか、その狙いは何なのか、その狙いは周りの人から見ても上手く実現されているものなのか、その狙いを実現するためにはよりよい方法はないのか、狙いがない場合にはそのライティングパターンは周りからどう見えているのか。どういう場合に使えるのか。

そういった事を授業に参加してくれているメンバー全員で考えたいからだ。

質問というのは、そういったことを考えるための初めの第一歩。ここで黙ったり、笑ったりでやり過ごすという状況になると、彼(彼女)の持っているアイデアは自分ひとりの中で止まってしまうって訳だ。それはあまりにももったいなさすぎる。黙ったり、笑ったりして、答えてくれない彼ら(彼女ら)に対し、僕は質問を繰り返す。

なぜ僕が執拗に質問とその返答にこだわるかというと、この態度は、最高レベルの舞台を作るための創造作業を行う上で、必要不可欠になるものだからだ。

その過程はどういうものか。

照明家は、色々なアイデアを他のスタッフや演出家や役者とやり取りしながら、舞台のイメージを頭の中で作っていく。お互いのパートに対する質問や意見を出しあって、そこから浮き上がる光のプロトタイプを、仮の光のイメージという形で描く。これで、一定の踏み台ができる。それは他のパートも同じだ。各パートでの踏み台が出来る。

その踏み台によって見えてきた方向性や問題点などを話し合う事で、質問や意見をまた出しあう。それからプロトタイプ2の作成。踏み台2の出来上がりだ。踏み台2によって見えてきた方向性や問題点などを話し合う事で・・・(以下繰り返し)。

ちょっとした言葉遊びをするなら、想像過程と創造過程を行ったり来たりするようなもの、というか。これは、演劇だけに限った事じゃなくて、人間が集まってよってたかって何かを作ろうとする作業全てにいえることだ。

舞台を構成する各パートが、こういった作業の繰り返しで本番を迎えられれば、どんなに舞台経験の少ない団体でも、最高レベルの舞台を作る事が出来る。それは有名どころの団体の作る舞台に比べれば、総ベクトル量はずっと小さいものかもしれない。でも、少なくとも、関わる人たちの力量から生み出す事のできるベクトル量としては、最高レベルの舞台になる。

まあ、こういう幸せな創造過程のできる現場は、あんまり無い。僕だって、今までに1回、海外の演出家さんと一緒に組んだ時に出来たくらいなものだ。経済的な制約や、時間的な制約で、大体の場合は想像過程はゆがんで、演出だったり、役者だったり、舞台だったり、どこかに傾く(照明に傾く事はまずない)。

その結果、お互いのパートが、お互いの技術をつかって作ったものを持ち寄って、現場でつじつま併せをする事になったりする。そのハブ(接続点)として、舞台監督と演出がなんとなく、ぼんやりと全体を想像しているだけだったりして。

こういう幸せな創造過程が出来る現場をほとんど体験できないのだとしても、これから照明の世界に入っていくことを覚悟して専門学校生になった彼ら(彼女ら)には、思考的な部分だけは、最高レベルの創造過程ができる思考法を身に付けておいてほしいなあと思って、僕は今日も質問を繰り返す。自分でもほとんど出来てないのにね。人間の「自分を棚に上げる」という能力は偉大であることだなあと思い知る今日この頃なのであります。


【追記】
このエントリを見ている役者さんのために。「メソード演技」で有名なリー・ストラスバーグがアクターズスタジオでやっていた作業というのも、ここで述べている「最高レベルの舞台を作るための創造作業」と一緒の事です。

日本だと「メソード演技」って、色々な要因のせいで、なんか怪しい物になっちゃってるんですが、本来アクターズスタジオでやっていた演技の勉強というのは、発表者が実際に短い演技をやった後に「何を見せたかったのか」「それは実際にそう見えているのか」「もっと良い表現方法は無かったのか」と侃々諤諤喧喧囂囂とメンバー同士で話し合うことがメインだったとのこと。

もし、演技作りに行き詰まっていたら、アクターズスタジオの方法を参考にするってのも良いのかもしれません。
posted by 点灯夫/つの at 23:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台とコミュニケーション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年05月28日

駄目ですよ、ちゃんと基本は守らないと〜行動のチェックは漏らさないことに意味がある

人様に毒舌を吐いた後は、返す刀で自分自身にも毒舌を。

えーと、私少し前の本番で、照明キャリア2,3年目新人のやるような大失敗をしてしまいました。人の粗を書くからには、自分の粗も書かないとね。恥ずかしながら、告白をば。

前提となる話。そこの小屋の卓は、シーンを記憶するタイプの卓で、フェーダレスタイプだった(と書くと、どの小屋か、だいたい当たりが点いちゃう人はついちゃうだろうけど)。

で、千秋楽。演出との打ち合わせで、どうしても照明変化を変えたいところができたので、客入れは始まっていたが、ブラインドでメモリを修正して(注:こういったタイプのメモリ卓では、実際の照明機材に電気を通さない状態(明りが点かない状態)で、実際に再生されるメモリに入っている、明りの強度設定を変えることができるようになっているのが一般的)、本番を迎えた。

その修正したシーンは無事に過ぎ、30分ほど経ち、クライマックスに来た。ある連キュー(注:一つのきっかけで連続して起こる明り変化)の最中、キューを送っても送っても、明りが変化しない。

「え゛」

と口から声が漏れた後、息がとまる。送る、変わらない、送る、変わらない、送る、変わらない。こういう時って、本当に心臓がばくばくいって、時間が流れるのが遅くなるんですね。映画で、心臓音がSEで流れていて、スローモーションになるような感じ。初めての体験でした。

僕は、一つ深呼吸をする。

見切りをつけた。

その次のシーンからの明りを、時間差をつかったリアルタイムで作った。あとの10分で30ほどの変化が有ったが、前のシーンを再現している間に、ブラインドで次のシーンの明りを作ってメモリに入れる。そのシーンを再現し、またブラインドで次のシーンの明りを作ってメモリに入れる。繰り返す。

チャンネルが200を超えていたので(注:分からない人は、独立して点いたり消えたりする照明機材の量だと考えてください。自分の部屋に200個の電球があって、それらが全部別々の、200個のスイッチでコントロールされている状態だと考えれば、そんなに外れじゃない)、正直泣きそうだったが、幸いにもシーン自体にほとんど外れは無く(点いた灯体に外れは無かったが、照度がすこしずれたシーンがあった)、何とかなった。

明りが変化しない状態からの復帰も、なんとか不自然じゃない(と思いたい)ところでタイミングよく持って行く事ができた。恐らく、火事場の馬鹿力って奴だ。あんなスピードでメモリを組むなんて、平時だったら絶対にできない。


で、公演が終わった後。ばらしに入る前にシーンが記憶されているメモリの中身を見て、原因を調べた。変化しなくなったシーンから後のメモリが、そのシーンに全部書き換わってしまっていた。メモリ上限一杯一杯までだ。キューを送っても、シーンが変化しないわけだ。

僕は、この時コピー機能を使っていなかった(メモリに入っているシーンをコピーして、他のシーンとして使用する事)。なぜ、そのキューから後のメモリが書き換わってしまっていたのか、それは分からない。もともとのバグを突っついてしまったのかもしれないし、僕の卓操作ミスなのかもしれない(こちらの可能性のほうがはるかに高い)。

いずれにせよ、それは本質的なことじゃない。このミスの原因は「仮テストで確かめもできない状態の変更を、本番でいきなりやろうとしたこと」に尽きる。点灯チェック、シーンチェック、シュートチェック、舞台周りチェックを欠かさないのは当たり前だとしても、そのチェックの後に変更をしちゃったら、そりゃそういったチェック体制もすり抜けるっつーもんですよ。

そんなお茶目さんなミスは、若気の至りが許される年齢までで良いのにね。無理に若ぶれる歳でもないんだから。僕ったら。

自分の行動や、機材の振る舞いを漏らさないようにチェックをするところに、事前チェックの意味がある。僕が扱うのは工業製品じゃないから、ランダムピックアップを使っての統計調査をしても意味がない。チェックから漏れそうな行動は、アイデアとしては押さえておいても、その場すぐには採らず、なんらかのチェックができる状況を作り上げてから、速やかに行動に移す。

再度、肝に銘じておくことにします。
posted by 点灯夫/つの at 12:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台を創るための方法論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「えーと、商業演劇の制作業務はそんなに甘くないぞ」と言いたい

久々に書くのに、毒舌モード。

昨日、知り合いが大量に居る団体から招待券を貰って、とあるイベントに行った。プロデュースイベント。いくつかの団体が出演して、それぞれ30分間芝居をする。見ていてくれたお客さんに投票してもらって、一番得票数の多かった団体に賞金10万円を、と言うもの。ま、ありがちなイベントというか、工夫の「く」の字も無しというか。

観終わった感想。

失礼です。

このイベント、出てくれてた団体さんにも、見てくれてたお客さんにも失礼だよ。

15分遅れてスタートする、お客さんの導線は考えてない、客席も椅子を並べただけ、後から来たお客さんへの配慮はない、運営スタッフは明らかに素人だし、おそらく進行表は頭の中でしか考えられてない、それで場当たりもゲネもほとんどやってない、システムも「ま、こんなもんで」程度にしか考えてない(投票システムのイベントなのに、「団体にノルマがあって、団体が客を呼ぶ」んだよ。組織票で順位が決まるに決まってんじゃないですか。あと、投票時にどの団体に投票するか、他の人に丸見えだったし)。

唯一の救いは、「お金で雇われた」(と本人達が言っていた)司会のお笑い芸人コンビが柔軟だった事かな。無茶苦茶だったシステム(司会がらみで言うと、司会にタイムキーパーをやらせてた)を笑いに変えて、なんとか乗り切ってた。個人的には、彼らに「お疲れ」と投票したかった(けど、5分ほど遅れていった僕に、なぜか投票権はなかった)。でも、お笑い芸人として見ると、それほど彼らのレベルが高かったわけではなかった。相対的に救われた、というところ。


で。


入場時にもらったパンフレットに、

「イベントに出演してくださった方の中で、当プロジェクトが制作業務を請け負う商業演劇のオーディションに推薦させていただく場合がございます」

とあった。

えーとですね。

商業演劇だと、特にテレビに良く出る人が出演するタイプの商業演劇だと、幕があがる時点で出演者が揃ってなかったりする事もあるんですよ。前の仕事があるから。で、出番ちょっと前に到着して、出演して、出番が終わったところで帰っていくんですね。次の仕事があるから。

そんなタイトな商業演劇。こんなゆるゆるなイベントを組む団体に、商業演劇の制作業務を任せるプロデューサーが居る訳ないです。いや、居るかもしれないけど。うん。だとしたら、随分とチャレンジャーだね、そのプロデューサーさんは。僕自身は嫌いじゃないタイプのプロデューサーさんですが、一緒に仕事はしたくないタイプのプロデューサーさんでもある。


まあ、でも初めはどこもこういう状態なのかもしれないよなあ。へこたれずに頑張っていくと、伸びていくのかもしれない。技術スタッフだってそうだし。頑張ってください、と一応フォローを入れといて、と。


最後に、一番悪かったところを指摘しておく。同種のイベントを考えている他の人にも役立つかもしれないので。

こういうイベントを組むときに一番大切なのは、良い意味での同質性を考慮する事。お笑いがあって、シュールがあって、新劇があって、お涙頂戴があって・・・という事になると、お客さんは「観る体勢」を作れなくて困ってしまう。それよりも、お笑いなら「お笑いです!!」と初めにジャンルの宣言をしてしまって、制作業務・当日業務を進めるべきですね。そっちの方がずっとシンプルでやりやすいし、効果的です(ジャンルがばらばらで「レベルが高い」という同質性も、もちろんあり。それだけのレベルの人たちを集められるのであれば)

このイベントには、そういった考慮が全く無かった。「小屋代を払えるだけ団体を集めれば良い」ってものではないです。気をつけましょう。

ところで、この「考慮」、シナリオを創る時にも、演出をする時にも、照明を創る時にも使える(というか、基本の一つです)。気が向きましたら、自分流にアレンジしてお試しあれ。
posted by 点灯夫/つの at 12:16| Comment(0) | TrackBack(1) | 舞台を創るための方法論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年05月13日

とりあえず、落ち着いて考えてみよう。それは本当に「違う」のか?

僕にはよく分からないので、だれか教えてください、という話。

近頃なぜか、劇団が潰れただの、袂を分かっただの、そんな話を聞くことが多い(いや、3本も4本もその劇団で照明してると、一種の身内感覚が発生するんですよね、お互いに。で、適度に外部の人間だから、愚痴も言いやすいと。自然、そういう話を聞くことが多くなるわけですわ)。

これ自体が悪い話だとは思わない。そりゃ、人間が数人〜数十人集まって何かをやってるわけだし、「違う」って事になって、どうしようもない仲たがいとか、あるでしょうさ。そんな時、一緒に続けていても、お互いに大変になっちゃうかもしれないしね。

ただ、この前聞いた話は、ちょっと首を傾げるものだった。そして、こういう話って、意外に多いんじゃないかなと思ったので、ちょっとエントリに書いておく。

その劇団には、2人の中心人物が居た。AとBとしよう。二人は10年以上の付き合い。どうも劇団に人が居ついてくれない事が悩み。公演で役者を集めるのだが、終わるとみんな去って行く。おかげで、役者のレベルアップが図れない。もちろん、公演自体のレベルアップも望めない。

なぜだ、という事になった。

A「Bが厳しい言い方で演出するからだって。物には言い方ってあるだろ? 締める所は締める、緩めるところは緩めるで、いる奴のやる気を引き出してやらなきゃ」

B「そんな程度の事でやめる奴は要らないし、そういう奴が混じるとズルズルいっちゃうんだよ。やる気のない団体にはしたくない」

で、AとBとは、決裂。団体は、Aが引き継ぐ事になった。まあ、良くありがちな話ではある。


でも、これって、本当に「違う」んですかね。「やる気のある人と一緒にやりたい」という目標は、まったく同じだと思うんだけど。そのアプローチが違うだけで。片方が「やる気のある人とやりたい」、もう片方が「やる気のない奴でも、金さえ出せば出させてやれば良いじゃん。運営費になるし」って言ってるわけじゃないでしょ?

同じ目標を持っていても、目先の意見が違うと、10年来の関係でも袂を分かつ原因になっちゃうんだなあと、電話で話を聞きながら、思ったわけでございます。組織的に複数の人間が行動するとき、その行動の目的を見失って、行動自体や方法に拘泥してしまうのは、ありがちなことだ。これは、とても危険な事・・・なのかな。

「なのかな」って歯切れが悪いのは、僕がずっと一人でやっている人間だから。論理的に考えると、目的を忘れて、行動自体や方法に拘泥してしまうのは、あんまり良くない事ではある。喧嘩までしちゃうのは、なおさら馬鹿らしい。

ただ、人間って論理だけでは動かないでしょ。最終的には「好き嫌い」だったり「快不快」の問題だったりする。んで、僕は会社に入ったことはないし、特定の団体に所属している訳では無いので、組織を担って動いている人の心情の機微が、よく分からないのでした。 

団体に入って動いてる人、どうなんですかねえ、この辺? よろしければ、教えてやってくださいまし。
posted by 点灯夫/つの at 08:15| Comment(5) | TrackBack(0) | 舞台とコミュニケーション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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